平清水Ⅰ・Ⅱ遺跡
いわて調査情報/2021年7月6日現在
DATA
※この遺跡の調査は終了いたしました。
遺跡名 | 平清水(ひらしみず)Ⅰ・Ⅱ遺跡 |
所在地 | 岩手県野田村大字野田第22地割 |
事務所 | 080-2806-8120 |
調査期間 | 令和3年4月~6月末日(予定) |
時代 | 縄文時代 |
検出遺構 | 縄文時代 竪穴住居、土坑、落とし穴 古代 竪穴住居 |
出土遺物 | 縄文時代 土器、石器、コハク片 古代 土師器、須恵器 |
6月30日で発掘調査を終了しました。写真①は遺跡を西側上空から撮影した写真です。今年度は写真中央の水田部分を主に調査しました。
写真②は縄文時代の竪穴住居と貯蔵穴が集中して見つかった場所を真上から撮影した写真です。丸い穴は全て貯蔵穴で、古い貯蔵穴を壊して、新たにつくられていたものもありました。今回は、過去の調査で見つかった縄文時代の集落が尾根の西側にも広がっていたことを確認できたのが大きな成果です。
(令和3年7月2日現在)
前回ご紹介したフラスコ状土坑の他に、縄文時代前期の竪穴住居も見つかっています。
写真①の住居の床で右上に赤く見える場所が火を焚いた炉です。
これを拡大したのが写真②で、土器を正立の状態で床に埋め込んで作られた土器埋設炉です。
写真③の住居では柱穴が二重(三重?)に巡っているように見えることから、建替えをした可能性が考えられます。
今回の2ヶ年にわたる発掘調査の結果、平清水Ⅰ・Ⅱ遺跡では縄文時代前期と平安時代に集落が作られていたことが明らかとなりました。
(令和3年6月25日現在)
写真(上)は検出した土坑を半分掘り下げ、断面の形を確認した様子。底が外側へ大きく広がる形から、フラスコ状土坑と呼ばれています。写真(下)は完掘した状態の写真です。
フラスコ状土坑は、他の縄文時代の遺跡では中からトチなどの木の実が見つかる事例があり、食料貯蔵のための穴であったと考えられています。今回の平清水Ⅰ・Ⅱ遺跡の調査ではこのようなフラスコ状土坑が20基以上見つかりました。
(令和3年6月18日現在)
調査区北側の調査を進めたところ、大きさ径1.5~2.0m程の丸い形の土坑が複数見つかりました。その中の1つを掘り進めたところ、写真のような土器が見つかりました。縄文時代前期(約5,000年前頃)の土器で、細長いバケツのような形から円筒式土器と呼ばれています。表面には撚った縄を転がしたり、押し当てたりした縄文が見られます。
(令和3年5月14日現在)
4月6日より令和3年度の発掘調査を開始しました。前年度からの継続調査です。今年度は、縄文時代の集落が広がっていると想定される遺跡北側についても調査を実施します。現在、試し掘りを行っており、集落がどこまで広がるのか範囲を見定めているところです。
(令和3年4月16日現在)
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