山ノ神Ⅱ遺跡
いわて調査情報/2023年12月4日現在
DATA
※この遺跡の調査は終了いたしました。
遺跡名 | 山ノ神Ⅱ(やまのかみ2)遺跡 |
所在地 | 岩手県花巻市山の神130 |
事務所 | 080-8215-1710 |
調査期間 | 令和5年4月7日~11月30日 |
時代 | 縄文時代 平安時代 |
検出遺構 | 縄文時代 落とし穴 貯蔵穴 平安時代 炭窯 |
出土遺物 | 縄文土器 近現代:陶磁器 |
山ノ神Ⅱ遺跡の調査は、11月30日ですべて終了しました。
写真は、調査終了直前にドローンで上空から撮影したものです。
多数の落とし穴が見つかり、縄文時代にはこの地で狩猟が盛んに行われていたことが分かりました。竪穴住居跡は見つかりませんでしたが、きっと近くに生活していたことでしょう。縄文人の行動の様子については、今後の整理作業でより詳しく検討していきます。
(令和5年12月4日現在)
山ノ神Ⅱ遺跡の発掘調査もいよいよ最終盤戦に入ってきました。
見つかった落とし穴の数は200基近くに達しています。今月中の調査終了を目指して最後の追い込み作業を行っているところです。
(令和5年11月22日現在)
11月9日(木)、遺跡の現地公開が行われました。
平日にもかかわらず、51名の方が参加されました。ご来跡いただき誠にありがとうございました。
(令和5年11月9日現在)
調査区の東端部で、円形落とし穴が密集して見つかりました。
しかも比較的大型のものばかりです。よほど獲物が狙いやすい地点だったのでしょう。
11月9日(木)13:00より、遺跡の現地公開が行われます。一般の方の見学が可能ですので、お時間のある方はぜひ山ノ神Ⅱ遺跡へお越しください。
(令和5年10月19日現在)
調査区の東側で、フラスコ状の土坑が複数見つかりました。
開口部よりも底面部の方が広くなっている土坑です。今回の調査では初めての事例で、上の写真はその埋土断面、下の写真は完掘状況です。
フラスコ状土坑は一般的に貯蔵穴、すなわち食料を保存するための穴と考えられており、縄文人が近くで生活していたことを示唆するものかもしれませんが、住居跡はまだ見つかっていません。
(令和5年9月5日現在)
8月8日に、ドローンによる航空写真撮影を行いました。
上の写真は調査区全体を南東側から撮影したもの、下の写真は調査区中央部分を直上から撮影したものです。
円形落とし穴と溝状落とし穴の分布状況がお分かり頂けるでしょうか。
(令和5年8月23日現在)
ドローンによる航空写真撮影準備のため、草取り作業を行っています。
春先に調査を終了した区域はすでに草が生い茂っており、調査面積も広大であるため、草取り作業にも多くの労力と時間を費やします。連日の炎天下の中、地道に作業を進めているところです。
来週中には撮影予定となっていますので、次回は撮影した航空写真をご紹介する予定です。
(令和5年8月2日現在)
山ノ神Ⅱ遺跡では、少数ですが落とし穴以外の遺構も見つかっています。
写真は平安時代の炭窯と考えられる遺構です。
底面直上には、びっしりと炭の詰まった層があります。その上位を覆う暗褐色土の中にうっすらと白色物質の層がありますが、これは平安時代(およそ1,100年前)に十和田火山が噴火した際に飛んできた火山灰と考えられます。以前にご紹介した縄文時代の火山灰とは異なるものです。
縄文時代から数千年の時を隔て、平安時代の人々は木炭作りという新たな土地利用の方法を見出したようです。
(令和5年7月19日現在)
調査区の北西部です。
写真中央には円形の落とし穴が5基連なっており、その周辺にも複数の落とし穴が分布しています。遺跡全体で見つかった落とし穴の数はすでに100基近くにのぼり、まだ今後も増えていく見通しです。その大半は円形が占め、溝状のものは少数です。2~3基が組になって現れるパターンが多いといった特徴もあります。
暑さが徐々に厳しさを増してゆく中、照りつける日差しに耐えながら懸命に作業を進めています。
(令和5年7月7日現在)
円形落とし穴の底面から、同じくらいの大きさの石がまとまって出土しました。珍しい事例だと思われます。
規則的に並べたような雰囲気ではありませんが、中央付近にまとまっていることから、何らかの意図が感じられます。
石を取り除くと、その下の底面には杭を刺すための小さな副穴が4個並んでいるのが見つかりました。
何の目的のために石を置いたのでしょうか。謎が深まるばかりです。
(令和5年6月28日現在)
現在は主に調査区北西端で作業を行っています。
ここでも落とし穴が複数見つかっていますが、やはり前回ご紹介したような円形落とし穴が主体となっています。これまで見つかった遺構の傾向をみると、埋土に火山灰を含むやや大きめの円形落とし穴が多数を占めています。
まだ調査は序盤ですが、山ノ神Ⅱ遺跡の大きな特徴の一つと言えそうです。
(令和5年6月15日現在)
上の写真は、円形落とし穴の埋土を半分掘った断面です。
黒色土の中に黄色っぽい粉状物質の層があります。これは約6,000年前に十和田湖の火山が噴火した時に空から降ってきた火山灰と推定されます。この断面を見ると、落とし穴が使われなくなり埋没していく過程の途中で火山灰が降下したと解釈できるので、落とし穴が作られたのは6,000年以上前ということになります。
縄文時代の中でも古い時期に相当します。
下の写真は、この落とし穴の完掘状況です。開口部は円形ですが、底面部は方形に近い形をしています。
この不思議な特徴は他の円形落とし穴でも複数確認されていますが、理由はよく分かりません。
(令和5年6月1日現在)
写真手前には円形の落とし穴が4つ、右奥の方には溝状の落とし穴が3つ、ほぼ等間隔に並んでいます。
縄文人が獲物を的確に仕留めるために、計画的に落とし穴を作った様子が想像できます。同じ形状・規模の落とし穴が規則正しく並ぶ例は、他の場所でも確認されています。
落とし穴の調査には水中ポンプが欠かせません。湧き出る水に悪戦苦闘し、泥だらけになって作業しています。 (令和5年5月23日現在)
4月7日から調査を開始しました。重機で調査区南東側の表土除去を行っています。
産業団地整備のための調査で、対象面積は約50,000㎡と広大なため、11月末までかかる見通しです。右奥に見える建物は富士大学です。
(令和5年4月14日現在)
調査区西側で、重機による表土除去・遺構検出・精査を並行して行っています。
写真は縄文時代の(獣を獲るための)落とし穴で、手前にあるのは溝状の落とし穴、右側の少し奥に2基並んでいるのは円形の落とし穴です。
山ノ神Ⅱ遺跡にはこのように2タイプの落とし穴がありますが、円形のものの方が数多く見つかっています。穴を掘ると底からどんどん水が湧いてくるため、作業が捗らず苦慮しています。 (令和5年5月12日現在)
※このホームページは公益財団法人岩手県文化振興事業団埋蔵文化財センターが、調査した遺跡の情報を提供しています。 掲載されている情報の無断転載はできません。