イベントレポート
世田米城跡 現地説明会レポート
平成28年6月4日(土)午後1時から、住田町の世田米城跡(せたまいじょうあと)で現地説明会が行われました。晴れ晴れとした初夏の風を感じながら、無事に説明会を終えることができました。参加された86名の皆様、ありがとうございました。
世田米城跡は、国道340号線の地域連携整備事業に伴い行われている、復興関連発掘調査遺跡です。中世の城跡の一部が調査範囲にかかり、城館の防御を担う腰曲輪(こしぐるわ)が複数連なる部分を確認しています。
地元から見学にいらした方は、「小学校の頃遊び場だった山が、こんなすごい城跡だったことに驚きました。説明を聞いて、当時の思い出もよみがえりました。」と話して下さいました。小学生のみんなも真剣に話を聞いていました!
今回は、現場を眺めながら説明会のスタートです。あの山が世田米城跡です。今から登ります!
現場までは徒歩5分ほど。近づく世田米城跡を目前に、気仙川のせせらぎに耳を傾け、心身ともに準備を整えます。この川も敵の侵入を防ぐ意味では重要なポイントです。
現地説明会というより軽登山のような雰囲気。中世城館は、自然地形を活かし造成された城のため、現代の私たちが見れば一見普通の山や丘陵といった趣です。
本丸に到着。山頂部を削り、平らに造られているのがわかります。現在この場所には神社が建っています。今回は調査範囲外のため、本丸は調査できませんが、壊されることなく後世に残ります。
本丸の南西に調査区があります。今回見つかった城の防御施設「腰曲輪」の解説を聞きます。皆さんが立っている部分は平坦になっていますが狭く、左側は急斜面。当時の人々は、山を切り崩しこのような防御施設を作りました。山の斜面に作るのは一苦労です。もちろんそれを調査するのも・・・。
手前の平坦部と皆さんが立っている所、そして急斜面のため見えませんが、その下にも段が連なります。今回の調査で腰曲輪が15か所も見つかっています。本丸まで攻め入るのにヘトヘトになりますね。私はすでにヘトヘトです。
当日の資料は、こちらから。
2016年6月13日掲載
※このホームページは公益財団法人岩手県文化振興事業団埋蔵文化財センターが、調査した遺跡の情報を提供しています。 掲載されている情報の無断転載はできません。