平成25年度調査
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焼山遺跡
東日本大震災関連発掘調査
いわて調査情報/2013年11月15日現在
DATA
※この遺跡の調査は終了いたしました。
遺跡名 | 焼山(やけやま)遺跡 |
所在地 | 岩手県下閉伊郡山田町船越12地割ほか |
事務所 | |
調査期間 | 平成25年9月17日~10月31日(予定) |
時代 | 古代 |
検出遺構 | 製鉄関連遺構(排滓場など)、炭窯 |
出土遺物 | 縄文土器、石器、土師器、須恵器、羽口、鉄滓、炉壁 |
上から見た焼山遺跡です。遺跡の北西方向から南東方向を眺めています。写真手前の茶色い土が見える場所が遺跡です。南東に開いた谷地形に位置している様子がよく分かります。
この焼山遺跡は原料の砂鉄、燃料の木炭を調達するには好都合だったのでしょう。鉄滓(鉄くず)が多量に出土していることから、鉄生産が盛んに行われていたことがうかがえます。
発掘調査は11月15日をもって終了しました。
(平成25年11月15日現在)
11月2日(土)に現地説明会を開催しました。たくさんのご来場ありがとうございました。今回の現地説明会で遺跡の一番の目玉となったものが、この遺構です。これは直径が70cmほどの製鉄炉跡で、写真の赤い○の部分には前回紹介しました羽口が装着されています。このような状態で出土することは珍しく非常に貴重なものです。羽口の傾き、装着位置など重要な情報が得られます。今後の調査で鉄生産に関する様々な謎がさらに明らかになることでしょう。
(平成25年11月5日現在)
10月4日に掲載した写真の右側の土を掘り下げた結果、このような物が出土しました。一部割れていますが3本の円筒形の物体が確認できます。これは羽口です。ふいごから炉内に空気を送り込むためのパイプです。ちくわのように穴が開いた形をしています。表面を観察すると、灰色やオレンジ色の部分、先端(写真中央の奥)に鉄滓(てっさい(鉄くず))が付着していることが分かります。これは使用済みであることを示しています。
この焼山遺跡が鉄生産に関係した遺跡である証拠ですね。
(平成25年10月17日現在)
今週も雨天が多い一週間でした。先週に続き遺構の掘り下げを行いました。
先週紹介した遺構のすぐ西側にこのような面が現れました。写真中央のオレンジ色の部分は焼土(土が焼けた部分)です。写真では見にくいですが、このオレンジ色をした焼土を縁取るように高温で還元された黒色の土がありました。鉄生産に関わる工房(炉?)の一部と考えられます。
これは一体何なのか、明らかになるのが楽しみですね。
(平成25年10月11日現在)
今週は雨天が続きましたが、3日(木)・4日(金)は現場作業を行うことができました。
写真のように遺構の掘り下げを行いました。床面のオレンジ色の部分は焼土(土が焼けた部分)で、その奥には壁が立ち上がっています。壁にも焼土が見られます。床面の焼土は多量の炭化物を含む土で覆われていました。鉄生産に関わる工房の一部と考えられます。
来週にはもう少しこの遺構の掘り下げを行う予定です。いったいこれはなんなのか楽しみですね。
(平成25年10月4日現在)
今週は重機を使って表土をはがし、遺構や遺物が出る面をクリーニングしました。
写真はその様子を写したものですが、地面が左側は黄色なのに対し、右側は黒色なのが見て取れます。この黒土の下からは先週お見せした鉄滓や羽口が多量に出ており(左上写真。2m四方を掘っただけで、カゴいっぱいの鉄滓)、おそらくこの下に鉄生産に関わる遺構が眠っているのではないかと考えています。
(平成25年9月27日現在)
9月17日から調査を開始しました。国道45号線沿い、山田町役場船越支所から西へとのぼる斜面地に焼山遺跡はあります。
今週は試掘をし、どのような遺跡なのかを調べました。
さっそく右下写真のような『羽口(はぐち)』や『鉄滓(てっさい)』が見つかりました。どれも鉄生産に関わる遺物です。羽口は製鉄炉に装着し、ふいごから風を送る役割を担います。また鉄滓は鉄を生産する際に炉から排出される、いわゆる『かなくそ』です。どうやら焼山遺跡は鉄生産に関連した遺跡になりそうです。
(平成25年9月24日現在)
※このホームページは公益財団法人岩手県文化振興事業団埋蔵文化財センターが、調査した遺跡の情報を提供しています。 掲載されている情報の無断転載はできません。