現地説明会
フォトレポート 折居遺跡現地説明会を行いました。(9月14日)
9月14日(土)、花巻市太田にある折居遺跡の現地説明会を行いました。
当日の資料はこちら
手前が昨年度の調査区、テントの前あたりが今年度の調査区です。
受付で資料を受け取ります。
説明に先立って、所長挨拶や担当調査員の紹介がありました。
昨年度に引き続いて2年目の調査で、今年は昨年度の西側隣接地と調査区内を東西に延びる低地を挟んだ西南側を調査しています。
これまでに低地の両側のやや高い場所から、縄文時代前期の大型住居や小型の住居、柱穴のある土坑、お墓などが見つかっています。皆さんが立っているところが、やや高い場所です。
黒い土が堆積しているところが低地です。この部分の土層を観察するために、畦が設けられています。断面にはたくさんの土器や石器などが見られます。
縄文人たちは生活で不要になった土器や石器をこの低地に捨てていたようです。
その様子がよくわかるので、皆さん熱心にご覧になっています。
調査区内では、発掘調査の作業の実演も行われました。
縄文時代の穴をどのように掘って調査するのか、なぜ掘れるのか、よくわかります。遺物も出ています。
テントでは遺物が展示されています。
どのようなものが見つかったのでしょうか。
これは石錘で、魚を取る網のおもりと考えられます。
手のひらより少し小さい平たい石の縁の対面を打ち欠いており、そこにひもをかけて網にくくり付けていたようです。すぐ西に流れる寒沢川で魚を捕っていたんですね。
石槍や磨製石斧、石鏃などの石器です。つまみのついている奥の石器3点は石匙と呼ばれていますが、スプーンではなく、つまみにひもをつけて持ち歩く携帯ナイフと考えられています。珍しい形の石棒やお墓から見つかった耳飾りもあります。
土器と土偶の破片(左の箱の中)です。土偶は平らで、一見土器のかけらのようにも見えますが、縄文時代前期のころは、立体的ではなく板状の土偶でした。
暑さの一段落したこの日、およそ90名の方が、5,000年以上前のこの地の縄文時代に思いをはせました。
お越しいただき、ありがとうございました。
2024年9月25日掲載
※このホームページは公益財団法人岩手県文化振興事業団埋蔵文化財センターが、調査した遺跡の情報を提供しています。 掲載されている情報の無断転載はできません。