イベントレポート
『復興発掘調査展in山田町』イベントレポート 平成30年9月28日(金)~30日(日)
9月28日(金)から9月30日(日)まで、山田町中央公民館において「復興発掘調査展 in 山田町」を開催しました。山田町では平成25年度から平成28年度にかけて復興関連の発掘調査を13か所で行っています。今回はその成果を一堂に集めて展示しました。
初日の28日(金)、オープニングセレモニーの後いよいよ開幕です。
会場に入り最初の展示です。山田町では縄文時代の大集落が山田湾の沿岸に集中しています。山と海の豊かな恵みを受けていたのでしょう。各遺跡の大型の土器を集合させました。
縄文時代中期を中心とした素晴らしい土器の数々に皆さん驚いていました。
続いて、遺跡ごとの展示です。手前が豊間根地区、右手奥が山田地区の遺跡です。豊間根には石峠Ⅱ遺跡という縄文時代早期~中世の遺跡と縄文時代の落とし穴ばかりが360基も見つかった豊間根新田Ⅰ遺跡もあります。落とし穴は、石峠Ⅱ遺跡でも300基以上見つかっていて、縄文時代、狩りが盛んにおこなわれていた地域であることがわかりました。床に貼っているものは落とし穴の実物大の図面です。
山田地区の縄文時代の大集落、沢田Ⅲ遺跡、間木戸Ⅰ遺跡では土器のほかに石器、ヒスイなどの石製品やキノコ型土製品や土偶などを展示しました。間木戸Ⅰ遺跡では沿岸部では珍しい須恵器の坏や壺類も出土しました。
山田町付近は鉄分を多く含む花崗岩が地盤であるため、豊富に砂鉄が採れることから古代から中世にかけて鉄づくりが盛んです。船越の焼山遺跡は平安時代と鎌倉時代初めごろの鉄づくりの遺跡です。
他にも田の浜館跡、クク井遺跡などがありますが、砂鉄からの鉄づくりのほかに鍛冶まで行っていた遺跡や、専ら鍛冶作業を行っていた集落などさまざまです。
最終日の30日(日)には縄文時代の大集落(石峠Ⅱ遺跡、間木戸Ⅰ遺跡、沢田Ⅲ遺跡)について、担当調査員がスライドで調査の成果を説明しました。客席から質問も多くあり、充実した報告会となりました。
来場者の皆さんにご協力いただいたアンケートでは、
「山田を再発見、再認識した。」
「山田町の遺跡の内容の豊富さに改めて驚きました。とても見ごたえがあった。」
「私も発掘に参加してみたい!」
「時間を気にすることなく、担当者からお聞きしたかった。縄文の造形美にカンゲキ!!」
という感想をいただきました。
また、
「時代背景に沿った展示物を増やしてほしい。」
「もう少し説明が欲しい。何に使用したとか・・・」
「コーナーごとに係員がいて説明してくれればよかった。説明されている方がいると声をかけにくい。」といった御意見もいただきました。
復興発掘調査展は来年度以降も続きます。もっと内容を充実させて開催したいと思いますので、どうぞご期待ください。
復興発掘調査展のパンフレットはこちらから
2018年10月25日掲載
※このホームページは公益財団法人岩手県文化振興事業団埋蔵文化財センターが、調査した遺跡の情報を提供しています。 掲載されている情報の無断転載はできません。